ブランディング・ストーリーを伝えるための映像制作
mark MEIZANはクリエイティブ産業創出拠点施設。日々ビジネスにまつわる会話が飛び交っています。起業家、エンジニア、クリエイター、どんな人にとっても「ブランディング」はビジネスを好転させる効果があります。
事業や製品、はたまた自身そのものを魅力的に伝えるにはどうしたら良いのだろうか… 皆さまのビジネスを発展させるべく、今回は「映像作品」という切り口でブランディングについて学んでいきます!
2024年12月4日、デジタルハリウッドSTUDIO鹿児島コラボvol2として、「ブランディング・ストーリーを伝えるための映像作成」を開催しました!会社員や学生、フリーランスの方など、さまざまな業種の50名以上の方に参加いただき、各方面から映像を使ったブランディングが注目されていることがわかります。
ビデオグラファーとは?数多の業界を支えるミニマムなクリエイターの姿
今回登壇していただくのは、デジタルハリウッドの講師であり、ビデオグラファーとして活躍する秋田 載壮氏。ビデオグラファーとは、撮影・編集・納品をワンストップで行う人のことを指します。これまで、映像業界は照明部・編集部など、分業制がスタンダードでしたが、今日では小規模の案件を1〜3人ほどの少人数で行うミニマムなクリエイターたちが活躍しており、秋田氏もそのひとり。秋田氏は現状の映像業界について「コロナ禍以降、映像の仕事が増えてきた。ビデオグラファーのように一括で請け負う人材がいることで小規模で制作を行うことができ、費用も抑えられることからクライアントも映像という媒体に挑戦しやすくなった。」と語ります。
「画質がいい」は誰でも撮れる 映像✖️◯◯◯の時代
秋田氏は、「技術が発展し、今ではスマホ一つで誰でも画質の良い映像を撮ることができる。現代は映像単品だけではなく、映像✖️ビジネスなど、映像に何かを絡めて制作をしなければならない時代。」と語ります。
映像そのものの価値に加えて、さらに付加価値をつけることが必要ということ。ビジネスであれば、映像によってブランディングを行ったり、事業のストーリーを伝えることができる映像を制作することが重要となります。映像✖️ビジネス。まさにmark MEIZANに足を運ぶ皆さんに重要な部分が見えてきました。ブランディングに効果的な映像について、実例をもとに語っていただきます。
世の中に溢れるサービス。業界で頭ひとつ抜けるには?ブランディング映像で差別化を図る
秋田氏は、ブランディングの例として海外のアパレルブランド「EVERLANE」をあげます。アパレル業界は、環境問題や人権問題と深く関わりがあり、安い賃金で工場を動かすことで大量生産を行っている現状があります。
そんな中、EVERLANEは材料費や輸送費、工料などを顧客に明示することで、コストの透明化を図っています。さらに、「製品がいつ、どこで、誰によって作られたか」を明示し、顧客に制作の裏側について考えさせる取り組みを行なっています。これらの「EVERLANEのブランディング」に魅力を感じEVERLANEの製品を手に取る消費者も。製品そのものの魅力はもちろん、事業の軸や思想も重要であることがわかります。
数多のブランドがあるアパレル業界で、「トレーサビリティ」「サステナブル」を押し出したブランディングを行うことで、業界で頭ひとつ抜けた存在となったEVERLANE。秋田氏は、「世の中にはサービスが溢れている。同レベルの競争からいかに抜け出すかが勝負。そのためのブランディングを映像で行うことができる。」と語り、セミナーはブランディング映像のセクションへと移ります。
「ものはいいのに単価は上げられない?」ブランディング映像で付加価値をつける!
そこで紹介されたのは、秋田氏が映像でブランディングを行った実例、アパレルブランド「CARL VON LINNÉ」。完全受注生産のアパレルブランドで廃棄につながる在庫を抱えることはないそうです。
秋田氏は、制作の裏側を撮影することで、製糸の新技術やうんちくを織り交ぜ、学ぶ要素を付与し、顧客に当事者意識を持たせたと語ります。これらの映像によって、EVERLANEのように「製品の裏側」に魅力を感じ、製品を手に取る人が増えたとのこと。
今回ファシリテーターを務めた中垣氏は、「鹿児島にはものはいいのに単価が上げられない企業がたくさんある。ブランディングによってその現状を打破できるかもしれない。」と語ります。
ブランディング映像を発信することで、製品そのものはもちろん、製品にかける思いやその過程が評価される時代が来ています。鹿児島という地方から、ブランディングを武器に世界に羽ばたく事業があるかもしれません。
ブランディング映像を撮るための4つのルール
秋田氏は、映像を撮るために掲げている4つのルールがあると語ります。
- 無理はしない
- できることの精度を高める
- 相手の得意なことをさせる
- 現場でパフォーマンスを出すために、自分の実力を知る
「無理はしない」とはどういうことでしょうか?秋田氏は、「ブランディングと言っても、やっていることは単純。インタビューをして、それに伴うインサートを撮る。何をこだわっているのか、何が強みなのかを聞き出し、それから何を撮るべきか?というフローをクリアすることでブランディング映像が完成する」と語ります。
また「相手の得意なことをさせる」にも、映像ならではのヒントが。秋田氏は、「普通の人はカメラを向けた瞬間に固まってしまう。なので、生の声を聞くためには得意なことをしてもらう。料理人だったら料理をしてもらう。普段やっていることをしている時が一番かっこよく映る。」と語ります。実際に、CARL VON LINNÉのブランディング動画のサムネイルになっているのは、作り手。カメラを意識しない真剣さや素の表情に魅力が宿るのかもしれません。
ブランディングの第一歩 どのような媒体を選択するべき?
秋田氏は、「技術は大事だけど、派手な技術が必要というわけではない。大事なのは、現場や現場での立ち振る舞いやコミュニケーション。何が撮れるか、どうしたら本音を話してくれるかは自分にかかっている。」とセミナーを締め括られました。
今回のセミナーでは、ブランディング映像の効果と重要性がわかるセミナーとなりました。ブランディング映像には作り手の思いを伝える、裏側を見せるなど、さまざまな効果があります。皆さんが今抱えている事業にも、それぞれ思いがあるはず。今回のセミナーをうけて、ブランディングに取り組みたい!と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?mark MEIZANでは起業家・クリエイター・エンジニアそれぞれのスペシャリストによる相談窓口があります!第三者の視点を得ることで、自身が気づきもしなかった発信するべき事業の魅力が見つかるかもしれません。
また、mark MEIZANにはクリエイターも多く足を運んでいます。今回メインとなった映像はもちろん、写真やイラストなど、さまざまな切り口でブランディングを行うことができます。クリエイターとの出会いの場としても、ぜひmark MEIZANをご活用ください!
秋田氏のInstagramはこちらから https://www.instagram.com/akinori__photo/
秋田氏のポートフォリオ(HP)はこちらから https://akitanoriaki.myportfolio.com/work
秋田氏のポートフォリオ(YouTube)はこちらから https://www.youtube.com/@akinori_film
CARL VON LINNÉのブランディング映像はこちらから https://www.youtube.com/@cvl_linne