価値を言語化するコピーライティング講座
2025年6月18日に開催された「価値を言語化するコピーライティング講座」。商品や会社の魅力を短い言葉で伝える「コピー」は、情報やモノが溢れる現代において重要性が増してきています。身の回りに溢れているけれど、コピーとは何か、どう作るのか。具体的にイメージできる人は案外少ないのではないでしょうか?
今回の登壇者はコピーライター歴18年、株式会社わわわの代表を務める足立遊氏。基礎的なところから、制作工程や考え方などの実践的なところまでお話しいただきました。定員を上回る参加者が集まり、期待の高さがうかがえます。梅雨の晴れ間に負けない熱気に、会場は包まれました。

「コピー」とは何か? ~スペックではなく、ハッピーを語れ~

そもそもコピーとは何か。足立氏は「人の心を動かす言葉の短距離走」と表現します。商品やブランドの価値を高めることは前提として、それが単なる説明文ではなく、いかに素早く人に興味を持ってもらえるかが大切だと語ります。
コピーライティングといえば広報のための技術というイメージが強いと思いますが「言葉を用いてコミュニケーションしていきたいすべての人に役立つ技術だと思う」と足立氏。この言葉を聞いて、コピーライティングへの親近感やその技術を学ぶことの重要性がぐっと高まったように感じました。
私たちは日常のなかでたくさんのコピーを目にしているはずです。しかし記憶に残っているものはどれくらいあるでしょうか?コピーが人の目に映るのはほんの数秒。そのため「短い言葉でわかりやすく、価値を言語化する」ことが基本だそうです。その「価値」を言葉にするうえで、コピーを届ける相手の心を想像して言葉を選ぶことがポイントだと語ります。足立氏の気さくな雰囲気もあいまって、コピーライティングにはあたたかさがあると感じられたお話でした。
いいコピーには共感と発見がある
続いては実践編。コピーを考える手順や言葉づくりの構文まで教えていただきました。経験豊富なプロのコピーライターのお話を聞き逃すまいと、参加者のメモを取る手がせわしなく動きます。
いいコピーとは何か。足立氏は、コピーを見た人が「その情報は自分に関係がありそう」と感じ、「なるほど!」と次のアクションにつながる発見があるコピーがいいコピーだと語ります。ここでは案件例や実例を用いながら、何をどのような順番で考えればいいかご説明くださいました。プロのコピーライターの制作手順を知ることができる機会はなかなかないもの。今回お話を聞けたことで、一つひとつのコピーが地道な作業と綿密な情報収集の積み重ねで生まれていると知り、コピーライターという仕事のすごさを改めて感じました。
言葉の組み合わせは無限。いかに気づきを作るかが鍵
コピーは言葉の組み合わせ次第で無限に作れるからこそ、闇雲に考えてもいいコピーを作ることは難しい。足立氏いわく「どう言うか」を「どう気づきを作るか」に捉え直すと考えるポイントが見えてくるそうです。

今回の講演ではさらに一歩進んで、言葉づくりのヒントとなる構文まで教えていただきました。プロの言葉づくりの裏側を覗いているようで胸が躍ります。
コピーライティングと聞くとセンスが求められる世界という印象がありますが、実はロジカルに考えられている部分も多いと知り、非常に学びの多い時間となりました。
そして終盤にはダメなコピーについても触れていただきました。「“言った気になる雰囲気語”を使わず、その商品にしか言えないことを頑張って探していただきたい」というメッセージをもって、講演は締めくくられました。
質問殺到!幅広い切り口からコピーライティングを深堀り
講演の後は参加者の質問にお答えいただきました。「AIでも良いものができるようになってきた中で人が作る価値とは?」「漢字、ひらがなカタカナの使い分けは?」「コピーライティングに対する費用の確保の仕方や交渉の仕方」「インスピレーションはどこから来るのか?」などなど、テクニック的なことや実務的な内容、自己研鑽に関することまで、予定時間からあふれるほど多くの質問が寄せられました。参加者のコピーライティングへの関心と熱の高まりが感じられます。
一つ一つの質問に正直に、そして丁寧にお答えいただき、コピーライティングという仕事のリアルを知ることができた貴重な時間となりました。
最後にファシリテーターの中垣氏から語られた「誰でもできるようでできない」の言葉の通り、コピーライティングの奥深さを感じました。
プロフェッショナルのリアルに触れて、もう一歩先へ!
参加者からは「職場で何かを伝えるものを作る際に参考にしたい」「実践的で具体例やエッセンスがたくさんあってとても楽しく有意義でした」といった声が寄せられ、大変勉強になったとの感想を多数いただきました。それぞれの活動に重ねて講演を聞いていた様子から、満足度の高さがうかがえます。また「人柄が滲み出るセミナーでした。来てよかったです」との声もあり、足立氏のお話だけでなく人柄に惹きつけられた参加者も見受けられました。
コピーライティングはテクニックだけで成り立つものではなく、商品や会社に対して理解を深める根気強い姿勢や、届ける相手に寄り添うための想像力も大切なのだと、このイベント全体を通して感じました。
講演終了後には、足立氏との名刺交換や参加者同士での交流もみられ、これからのコミュニティの広がりに期待が高まります!
mark MEIZANでは今後もこのようなイベントを通して、ビジネスに役立つ知識や技術を習得できる機会の提供、クリエイターやエンジニアなどとのコミュニティ形成に取り組んでいきます。今後も様々な分野の第一線で活躍されている方々をお招きするイベントが盛りだくさんです!プロのお話を生で聞くことでしか得られない情報や刺激がきっとあります。
ぜひmark MEIZANへお越しください!
