アカウンティングの基礎 〜新規事業開発のためのアカウンティング・ファイナンス勉強会 【第7回】〜が開催されました。
2023年8月30日に『アカウンティングの基礎 〜新規事業開発のためのアカウンティング・ファイナンス勉強会〜』の第7回を開催しました。
今回は、『鹿児島スタートアップ金融対談:デット・エクイティ調達』と題し、鹿児島のスタートアップを対象に、Debt/Equity調達についてのトークセッションが行われました。
前回に引き続き Buddycare株式会社 代表取締役CEO 原田 和寿 氏と、マークメイザン運営事務局の一員でもある株式会社チェンジ鹿児島 代表取締役 中垣 雄 氏、そして鹿児島銀行 地域支援部 地域開発室 室長 飯森 利徳 氏をお迎えし、ベンチャーキャピタルと銀行の視点から、どのような調達ストーリーやビジネスモデルが評価されるのかについてお話しいただきました。
はじめに
これまで講師として登壇してきた原田氏から、今回対談をしていただく中垣氏、飯森氏の紹介が行われました。そして、「スタートアップにおいて”調達”は切り離せないテーマ。今回は、ベンチャーキャピタルと銀行それぞれの視点からお話を聞いていきたい。」と述べられました。
登壇される方々の自己紹介を終えたのち、本題である鹿児島のスタートアップ金融対談に移ります。
Debt/Equityの立場からスタートアップを評価する際に何を見るか?
最初に「Debt/Equityの立場からスタートアップを評価する際に何を見るか?」というテーマが挙げられました。
まず、飯森氏からは「地方銀行の視点(Debt)から考えると、スタートアップは実績がなく最もお金を貸しにくい位置にいるといえる。この際、最も信用できるのは事業計画の中身。」と語られました。また、「人として信用できるのかどうかも重要。その会社の社長さん自身を見て(スタートアップとしての評価を)判断することになると思う。」と述べられました。
一方、中垣氏は「僕ら(Equity)が一番見ているのは成長性。事業計画を見るという点では銀行と同様に蓋然性も見るが、5年後にどこまで事業を大きくするかというのも大事になってくる。」といいます。
スタートアップの中にも、Debtに適したものとEquityに適したものがそれぞれ存在し、事業モデルによって異なることが分かりました。
“調達のマイルストン” について
続いては、スタートアップにおけるベターな “調達のマイルストン” について。
資金調達の方法に関しては事業モデルによって様々ではありますが、今回は最初の1〜2年に焦点を当ててお話しいただきました。原田氏からも「(起業3年目の)僕にとっても、『どういう資金調達がベストなのか』を知りたいところ。手探りでやっている状態なので、参考にできればありがたい。」と語られました。
このテーマに関して、中垣氏は「やはり始めから大きな資金を調達してくるということは難しい。」といいます。続けて、「最初の1〜2年は自己資金や公的融資で調達しながらまずは起業し、エビデンスを作ることが大切。3年目くらいからベンチャーキャピタルを呼んでラウンドしていくのが良いのかなと思う。」と語られました。
また、飯森氏からも「ひとりで歩けるようになってから銀行へ(行って調達する)っていうのが良いと思うし、それが我々(Debt)の立場なのかなと思う。」と述べられました。
終わりに
今回は対談テーマの一部を抜粋しましたが、この他にも、これから鹿児島で増やしていきたい・支えていきたいビジネスモデルについてや鹿児島のスタートアップが身につけたいスキルなど、鹿児島でスタートアップや起業、新規事業開発を行う場合に重要な観点について、具体的な例を交えてお話しいただきました。参加者からの質問に答える場面も多々あり、終始、和気藹々とした雰囲気で行われました。
次回をもって『アカウンティングの基礎 〜新規事業開発のためのアカウンティング・ファイナンス勉強会〜』は全日程を終了いたします。最終回では、第1回〜第6回までの内容をおさらいし、当勉強会の総仕上げを行っていきます。