mark MEIZANクリエイティブセミナー「広告動画制作に必要なクリエイティブルール」

SNS全盛期の今、文字よりも動画での情報収集が主流となっている傾向にあり、製品や会社のブランディング、エンゲージメント向上のためには動画は必要不可欠なツールとなっています。そのような背景から、2025年12月9日に開催したmark MEIZANクリエイティブセミナーは「広告動画制作に必要なクリエイティブルール」と題して、Creative union ULTRA-Cの代表/企画演出を務める江上 裕章 氏にご登壇いただき、広告動画制作に関する貴重な経験談やHow toをお話しいただきました。

参加者はクリエイターの他、営業や広報、通信業や飲食店経営など様々な業種が集まり、動画制作が幅広い分野からニーズがあることが伺えます。飛び込みでのご参加もあり、大盛況でした。

CREATIVE UNIT ULTRA Cとは…?

まずは冒頭に、江上氏は自身の自己紹介も兼ねて、CREATIVE UNIT ULTRA-C(以下ULTRA-C)とは一体何かをご説明くださいました。

ULTRA-Cは1999年に鹿児島で生まれたクリエイティブ集団(ユニット)で、企画、演出、撮影、編集、CGなどそれぞれがフリーランスとして活動するプロフェッショナルチーム。結成当時、鹿児島では珍しい活動スタイルだったため、周りから「君たち、半年持ったらウルトラCだよ!」と言われたことが名の由来だと話します。

そして話は江上氏の自己紹介へ。ご自身が手掛けた映像を「エガミ演出集」としてご紹介いただき、参加者の皆様は映像のクオリティに感動するのはもちろんのこと、どれも一度はテレビで目にしたことがある!というワクワクの映像の数々にくぎづけでした。

鹿児島のクリエイターはレベルが高い?!

仕事を通して東京や福岡など、大都市の方とも交流のある江上氏。クリエイティブに関して鹿児島の特筆すべきところについて触れ、「鹿児島にはクリエイターを目指す人が多い。若くしてフリーランスとして頑張っている層が厚い上にレベルも高い」という声をいただくと話します。クリエイターの参加者が多い中、この言葉は励みになるのではないでしょうか。

演出の仕事、大公開!

話は移り、動画制作における演出の仕事について。動画制作に必要な過程と流れについて丁寧に解説してくださいました。ご自身が実際に受けた案件で作成した設計図やロケハン写真、CMのカット割りなど、普段見られない貴重な資料を惜しみなく公開してくださり、参加者の皆さんは前のめりに耳を傾けていました。

現場のリアルと、制作の大変さ

さらに話を深掘りし、話題は現場と制作の裏側に。とあるCMを例に、この映像を作り上げるためにクリエイティブチームがどのように動いているか、困難な撮影に対しどのように立ち向かうのか話してくださいました。数秒〜数分のCMに対して費やす時間はもちろん、撮影の過酷さや妥協しないクリエイターの精神などが垣間見えるお話で、”楽をして良い映像は撮れない”というメッセージが伝わりました。

動画制作のヒント

続いて、商業制作と個人制作の違いについて触れ、それぞれの価値についてもお話いただきました。商業制作について、集団で作るからアイデアがどんどんプラスされていくわけではなく、集団で作るからこそ不要なものを削ぐと作業も生まれてより鮮明に一本の軸が見えてくると江上氏は語ります。

また、動画制作のプランニングにおいて「AIDA(Attention Interest Desire Action)」が重要な点を踏まえ、トレンドの動画の傾向についても説明していただきました。

さらに、コピーライティングの役割と動画との関係性に触れ、実際のCMを例に織り交ぜながら動画におけるコピーとはどういうものなのかを語りました。

かなり踏み込んだ動画制作のいろはをお話いただき、参加者にとって新しい制作のヒントになったのではないでしょうか。

AI時代だからこそ残したいアナログ思考

江上氏は動画制作において今では避けられない話題、AIについても触れ、AIの便利さの反面、アナログの価値についても語り、AIやCGなどの技術が進化する時代だからこそ、人が考え、手を動かすアナログな思考や制作プロセスの重要性を強調します。また、アナログで制作を行う上で必要なのは、過去の経験によって作られる自分自身の「引き出し」だと話します。日頃から小さなことでも、自分の引き出しに入れ、いろいろな経験をしてその「引き出し」を増やしていって欲しいと締めました。

普段聞けないプロフェッショナルの話をmark MEIZANで!

映像制作の具体的な技術や事例のみならず、地方でクリエイティブを続けていくための考え方や姿勢についても語られ、クリエイターとしての技術論から思想論を学ぶことが出来るお話を時間いっぱい惜しみなくしていただきました。

参加者からは「勉強になった」「セミナーの内容を糧にしていきたい」など江上氏に刺激を受けたという声を多くいただきました。

mark MEIZANでは、今後も挑戦するクリエイターや事業者が学び合い、次の一歩につながるようなイベントやセミナーの開催をしていきます。レポートではまとめきれないほどの充実した内容をぜひ、実際に現地でご体験ください!

また、mark MEIZANではクリエイター同士やクリエイターと起業家やエンジニアなど違う業種同士を繋ぐコミュニティづくりにも力をいれています。クリエイター同士で語り合う、「クリエイター座談会」やいろんな業種の方と出会うキッカケとなる「利用者交流会」なども開催予定です。ぜひ、mark MEIZANにお越しいただきご自身の活動の糧にしていただければ幸いです!