入居者・卒業者の声
Buddycare株式会社
代表取締役CEO 原田 和寿 代表取締役COO 長井 聖司
愛犬の予防医療の確立を目標に掲げ、「Buddy FOOD」や「Buddy TREATs」といった愛犬のヘルスケアを改善する事業を展開しているBuddycare株式会社。代表取締役CEOを務める原田和寿氏にお話を伺いました。
愛犬が長く健康に暮らせる社会を目指して
貴社の事業内容を簡単に教えてください。
愛犬のヘルスケアを改善するというビジネスをやっていて、最終的には愛犬たちの予防医療の確立を目指しています。そのためには、どんな健康管理をして、その結果どうなったかをデータでしっかりと見ていく必要があって、このデータの蓄積に主眼を置いて事業をやっています。ただ、いきなりデータを集めようとしてもなかなか集まらないんですよ。そこで、ヘルスケアを改善するためのソリューションを、一つ一つサービス化し、使っていただく中で自然とデータが溜まってくる、そんなアプローチをとっています。集まったデータを分析することで正しい健康管理方法を定義していく、これが僕たちの目指しているところです。

なぜ鹿児島で起業されたのですか?
拠点を考えるときに、売る側と作る側、2つの観点があると思うんです。 僕たちのビジネスで言うと、売る側はオンラインでできて土地に縛られない。一方で作る側の視点で見たときに、フード(愛犬のごはん)を作る場所として 鹿児島が最適な場所だったというのが一番大きな理由です。ヘルスケアソリューションの中で一番目にフードのビジネスをやろうと決めていました。犬は雑食なので、肉も野菜も魚も米も、多様な食材が必要なんですね。それらを一つのエリアで安定的に調達できる県はかなり珍しくて、そういう意味で鹿児島を中心とする九州全域が非常に適しているんです。そこで調達するのであれば、近くで製造もやった方がいいと思っていまして。これは単純にOEMで物を作ってもらうという関係ではなく、開発段階から密に連携をとれる物理的な距離感とか、万が一トラブルがあったとき迅速に対応できることを考えて、近くにいて物作りをした方がいいと思ったので、鹿児島で起業しました。
シェアオフィスから入居室へ。ネットワークを支えに成長

mark MEIZANに入居するまでのストーリーを教えていただけますか?
会社を作った2021年4月時点では、まだアメリカに駐在していました。鹿児島出身とはいえ20年以上離れていたので、どの辺に拠点を置いたらいいのか分からず、ネットワークも全くなく…。そんな中でmark MEIZANが創業支援に力を入れている施設として出てきたので、とりあえず一回話をさせていただこうと思ってコンタクトをとったのが最初のきっかけですね。最初は長井(共同創業者)は東京にいて、鹿児島には僕一人だったので、別に広い場所も必要なく、シェアオフィスを借りて動き始めました。そして半年も経たないぐらいでビジネスが動き出して、打ち合わせや資料が増えてきたので、201号室(一番小さい入居室)に移りました。
決め手としては、発信している情報が充実していて、設立に関してや最初の資金調達など、日々発生するいろんな課題に対して、すぐ相談できる人がいるというところが非常に大きかったかなと思います。
mark MEIZANに入居して5年が経ち、事業にプラスになったと感じていることは何ですか?
まず、mark MEIZAN自体が、情報発信の量や支援体制、入居企業同士の交流、市の取り組みの積極具合まで、5年前とは全く比にならないぐらい進んでいるなと思います。5年前に今の環境だったら、何の迷いもなくmark MEIZANを選ぶべきだなと思うぐらいです。
メリットとしては大きく二つあって、一つは事業に直結するネットワークを紹介してもらえるところですかね。例えば資金調達する際に銀行やベンチャーキャピタルを紹介してもらえたり、お取引や製造に直結する会社を紹介していただいたり。もう一つは入居者同士のネットワークですね。近しいステージの企業がほとんどで、事業は違っても感じている課題感とかは結構共通のものが多いんですよね。それを共有できるし、他社の事例を取り入れることもできるので、そういう入居者同士のつながりが深まったことで、事業運営しやすくなっているなというのは非常に感じます。


社員の皆さんからのオフィスに対する声や印象はいかがですか?
社員A:名山にあるのがすごく良いです。お店がたくさんあるし(笑) わんちゃんと暮らしている方も多いので、ここにあることで会社のことを知ってもらえているかな、と感じます。
社員B:綺麗ですね。清潔感がある。会議室とか便利だし…。あとは企業同士のコミュニケーションが活発だからそれで広がる話とかもあって。いいとこ揃いだなと感じます。
原田氏:今年度いっぱいで入居期限を迎えるので、次の拠点を探しているんですけど、この環境を揃えるのは相当大変だなと改めて感じています。
「次の拠点を探している」というお話がありましたが、なかなか見つからないというのは設備面などでしょうか?
そうですね。ハード面では今の環境と同じものを探そうとしたらかなり大変というか、(賃料が)高いですね。ゴミをいつでも出せる環境とか、それをすぐきれいにしていただけるとか、そういう細かいところも含めて、ここと同じ環境はそうそう見つけられないなとは思っていますね。商談室についても、一社で場所を抑えておくって相当効率悪いと思うんですけど、ここだと共有で使える。そういう意味でも、いろんな入居企業が一つの組織、みたいな環境は他にはないですね。
ソフト面ではネットワークですね。ここに入居していたことで、かなり多くの企業や人と繋がったので、mark MEIZANを出ても繋がったままいけるかなと思います。いきなり外部に入居していれば、そういうネットワークを作りづらいと思うので、mark MEIZANに入ったことでいろんな出会いがあって、広がってきたというのがメリットですね。
社外の取引先やクライアントからのオフィスへの反応はいかがですか?
それはもう「綺麗ですね」って皆さんおっしゃいます。 商談室は僕らの独自の施設じゃないですけど(笑)「ちゃんとした企業なんだ」と思ってもらえるので、すごくバックアップになっています。
これまでmark MEIZANの相談対応を利用されたことはありますか?
「相談です」みたいに持って行くわけではないですけど、 野崎さん(株式会社リリーCEO)はじめ、mark MEIZANの運営事務局にはかなり相談させていただいています。人やパートナー企業を紹介してもらって実ビジネスに結びついているので、本当にありがたいですね。本来なら「誰々を紹介してくれ」みたいな気軽には頼みにくいことでも、運営事務局としてオープンに開いていただいているので、相談のしやすさは非常に感じています。


他の入居企業の皆さんとは、どんなお話をされますか?
主に仕事の話ですね。外ではちょっと話しづらい、資金調達の事とか。「どこからどれくらい調達できている」とか「どういうことをしたら調達できた」とか、そういうクローズドな環境じゃないと話せないことを共有できるというのが非常にいいかなと思います。そういうところがコミュニティの良さだと思うので。
名山町という立地について、どのように感じていますか?
僕はビジネス面でもすごくいい立地だなと思います。 色々な金融機関が近くに立地している場所なので、すぐ話に行ける環境というのは大きいかなと思います。すぐ行ける距離で金融機関とコミュニケーションを取るって大事だと思うので、そういう意味で名山町はビジネス的にもいい場所だなと思います。
今年度でmark MEIZANをご卒業となりますが、 mark MEIZANでの特別な思い出はありますか?
これという思い出ではないんですが、シェアオフィスから入って、201号室、503号室…と規模が大きくなるにつれて部屋を移ってきて、この5年間、目に見える形で企業としても変遷していっているというのは思い出ですかね。一人でやっていたのが、どんどん仲間が増えてきて。

鹿児島とのつながりを武器に海外へ
今後の展望について聞かせてください。
目指しているのは、冒頭にもお話したように愛犬たちの予防医療の確立です。方向性としては正しい方向に進めているとは思いますが、 起業をしたときに想像していたスピード感では全然進めていないので、 今後もっともっとスピードを上げていきたいなと思っています。足元の話で言うと、一つはソリューションの幅を広げること。もう一つはエリア展開もしていきたいと思っています。今は国内の事業が中心ですが、海外も狙っています。鹿児島とのつながりで言うと、鹿児島は「食」のところだけじゃなくて、鹿児島大学獣医学部とのつながりもあるので、愛犬のヘルスケアの事業をやる上で、非常にいい場所だと思っているんですよね。今後も鹿児島を拠点に日本はもちろん、世界も含めて展開していきたいと思います。
これからのmark MEIZANに期待することや、もっとこういう場所になればいいなという希望はありますか?
もう十分すぎるぐらいのサポートをいただいているので、正直、これ以上期待していることはないんですよね。いい意味で。どちらかというと、この施設とかサポートの中で僕らプレイヤー側がしっかりと成長することで、またmark MEIZANとしての価値も高まってくると思っていて。そうすると入居の競争倍率も上がって、より良い企業が入って…というプラスのサイクルが回り始めると思うので、次は僕らプレイヤー側の責任ではないかなと思います。
これから起業する人にアドバイスやメッセージなどあればお願いします。
アドバイスできる立場ではないのでアドバイスはないですけど、絶対mark MEIZANから起業した方がいいと、本当に思いますね。それはハード面のサポートにしても、ネットワークにしてもそうです。入居企業には、想いを実現するためにビジネスに取り組むスタートアップがどんどん増えていると思います。そこから得られるネットワークや、課題に対するアプローチみたいな、まさにスタートアップのコミュニティみたいなものがmark MEIZANを中心にできてきていると思うので、そこからスタートしない選択肢はないなと僕は思っています。
「新しいビジネスに挑戦したい」「社会的な課題を解決したい」という想いが強くても、自分自身のテーマが決まっている人って、 結構珍しいと思うんです。それに、そういう人たちがスタートアップの領域に流れてくることは鹿児島にとって大きな意味があると思っているんですよね。なので、そうした想いがある人たちは、ぜひまずはスタートアップの会社に入ってきてほしいなと思います。
大きな企業では、自分が感じた課題ではなくて会社の課題に対して淡々と業務をこなす感じだと思うんです。一方で、スタートアップは分かりやすい単一の課題にみんなで向かっていく。良い悪いではないですけど、体感できるプロセスは全然違うとは思います。起業するとき、「業務のプロセス」と「解決したいテーマ」、2つの新しいことに挑戦していくことになると思います。起業前にスタートアップで働く経験を積んでいれば、少なくともこの二つのうち、「業務のプロセス」の方は経験済みという状態になることができます。その意味で、起業にすごく近づけると思うんですよね。そして将来、自分自身が解決したいと強く思えるテーマが見つかったら、迷わず飛び込んでいくことができると思います。なので、将来課題を解決するためにビジネスをやりたいというマインドがある人は、まずプロセスを経験して、スタートアップの領域に入ってくることを非常にお勧めしたいです。そしてぜひBuddycareに来てもらいたいです。

愛犬のヘルスケア改善を目指すスタートアップです。生活習慣領域のデータの蓄積・分析を通じ、正しい健康管理方法を定義することで、愛犬たちの未病医療・予防医療の確立を目指しています。
事業内容
愛犬の健康管理プラットフォームの運営/ヘルスケアソリューションの開発・提供/フレッシュフードD2Cサービス Buddy FOOD/トリーツD2Cサービス Buddy TREATs
鹿児島発、犬のヘルスケア革命へ。