2023.6.3 Sat

新たな企業運営事業者による”新生”mark MEIZAN オープニングトークイベントが開催されました!

2023年5月27日に、”新生”mark MEIZAN オープニングトークイベントを開催し、100名近い方々にご来場いただきました。

開会のご挨拶

まず開会にあたり鹿児島市産業創出課の安永 めぐみ課長より挨拶。「鹿児島の商品やサービスの付加価値向上、鹿児島から創造的な新事業創出が鹿児島にとって必須であり、そのためにクリエイティブの力が必要。そうした課題認識から2019年に鹿児島クリエイティブ産業創出の拠点施設としてmark MEIZANをオープンさせた。今回運営事業者の変更が行われたが、新しい運営事業者にはmark MEIZANを次のステージに導いていくことを期待している。」と”新生”mark MEIZANへの期待を述べました。

安永 めぐみ課長

2019年に「ソフトプラザかごしま」からリニューアルオープンしたmark MEIZAN。これまでの期間、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、様々な制約がある中で工夫を重ねながら運営を続け、新事業創出、付加価値向上の萌芽を感じられるまでになったmark MEIZANを「次のステージ」に導くために、”新生”mark MEIZANではこれまでの良い部分は踏襲し、さらに良くなるために積極的に行動していきたいと考えています。

“新生”mark MEIZANの方針発表

続いて壇上に上がったのは今回新たに鹿児島市から委託を受け、mark MEIZANを運営することとなったジョイントベンチャー「薩摩郷中」の代表を務める野崎 弘幸氏(株式会社リリー代表取締役CEO)。野崎氏から「mark MEIZANを次のステージに導く」ための新しい方針について約30分に渡り熱く語らせていただきました。

野崎 弘幸氏

「mark MEIZAN起点のコミュニティを作り出すことにより、継続的に新規事業が生まれたり、スタートアップが生まれたり、コラボレーションが生まれる。コミュニティによって持続的なクリエイティブ文化が根ざしていくのではないか。まずはエンジニア・クリエイター・起業家の3つのコミュニティを作っていきたい。」と野崎氏は”新生”mark MEIZANにおいて「コミュニティ創出」がカギになってくると述べました。

mark MEIZANがリニューアルオープンして4年。様々な分野で「芽」は出てきましたが、それぞれ単独で存在する「点」のようなもの。点と点を繋ぐことによってより大きな価値を生み出す。そのためにはコミュニティというものが大事。これからのmark MEIZANは点と点を繋ぐ場所、コミュニティの拠り所となる場所となるようにしていきたい。そのような想いを発信しました。

また野崎氏は「いろんな人や企業を巻き込んでいきたいし、特に若い人や、地元企業を巻き込んでいくことで、年齢関係なく学び合える場所にしたい。」と述べ、これまでのmark MEIZANではあまり行われなかった地元企業と若者とのコラボレーションにも意欲を見せました。世代間、業種間の垣根を越えたコミュニティ創出の期待が高まります。

コミュニティ創出の起点となるためには多くの人たちにまずはmark MEIZANに来ていただく必要があります。その点について野崎氏は「mark MEIZANをセミナーやメンタリングなど毎日何かがある状態にする。毎日誰かがいて相談できる状態を作る。そうすることでmark MEIZANに行けば課題が解決できる、相談できる、と思ってもらう。」とし、人を呼び込むための考えを述べました。

左から飯森 利徳氏、福留 進一氏、野崎 弘幸氏、佐藤 健太郎氏、中垣 雄氏、松岡 宏満氏

新生mark MEIZANは、運営共同企業体である「薩摩郷中」のメンバーとその他のプロフェッショナル人材が、鹿児島により良い価値を創出するために協力体制を築いて運営しています。今回はその中から野崎 弘幸氏(株式会社リリー 代表取締役CEO)、松岡 宏満氏(株式会社W・I・Z 代表取締役)、中垣 雄氏(株式会社チェンジ鹿児島 代表取締役)、飯森 利徳氏(鹿児島銀行地域支援部地域開発室 室長)、福留 進一氏(株式会社現場サポート 代表取締役)、佐藤 健太郎氏(GMOペパボ株式会社 代表取締役社長)の6名が壇上にあがり、新生mark MEIZANへの期待を語りました。

「鹿児島の企業に投資する」ベンチャーキャピタルを運営する中垣氏は「(できるだけ)mark MEIZANに常駐するようにするので、遠慮なく相談して欲しい。」と述べ、またGMOペパボの佐藤氏は「コミュニティの力は非常に重要。エンジニアもデザイナーもクリエイターもコミュニティが無いと育たないし、意欲のある人は鹿児島を離れてしまう。今回新生mark MEIZANではコミュニティ創出をキーワードにリブートをかけるので、そこをサポートしていきたい。」とコミュニティの重要性を語りました。

会場からも真剣な質問が投げかけられ、新生mark MEIZANへの期待値の高さを感じました。

トークセッション:「地域の活性化」「クリエイティブ産業の進化・価値向上」には、なぜコミュニティが必要なのか

新生mark MEIZANの方針発表のあとはトークセッションが行われました。タイトルは「地域の活性化」「クリエイティブ産業の進化・価値向上」には、なぜコミュニティが必要なのか。ファシリテーターは、新生mark MEIZANで専門領域アドバイザーを務める大柴 貴紀氏(East Ventures フェロー)。パネリストは野崎氏、中垣氏、佐藤氏の3名。

左から大柴 貴紀氏、野崎氏、中垣氏、佐藤氏

トークテーマ1 : 10年前の鹿児島ITコミュニティ

まず1つ目のトークテーマは「10年前の鹿児島ITコミュニティ」。10年くらい前に鹿児島にエンジニアコミュニティがあり、そこに参加し、影響を受けてリリーを創業したという野崎氏。「Androidが世の中に出始めた頃で、自分は可能性を感じていた。自分と同じ考えの人は他にもいるはずだと思ってAndroidの会を立ち上げた。当初は4、5人の小さなコミュニティだったが、やっていくうちに大きくなり、50人、100人とイベントに集まるようになっていった。その時に多くの人たちから刺激を受けたし、その時の経験や出会った人たちは自分の財産になっていると感じている。その経験があるので、今回新生mark MEIZANをやるにあたってコミュニティ創出をキーワードにやっていきたいと思った。」と語りました。

トークテーマ2 : 東京/福岡のコミュニティがもつ役割・影響

2つ目のトークテーマは「東京/福岡のコミュニティがもつ役割・影響」。鹿児島よりも大きなコミュニティが成立、発展している2つの都市の状況は気になるところであり、参考になるテーマでのトーク。長年東京で活動されていた中垣氏は「自分は東京の起業家コミュニティしか知らないが、社長は基本孤独で、社員の誰にも悩みを話せない。弱音を吐くわけにはいかない。そこで友達の社長や先輩起業家に相談をして助けてもらった。そういう横の繋がりにはとても助けられた。」とコミュニティの重要性を語りました。

また福岡で創業し、その後東京に活動の拠点を移したGMOペパボの佐藤氏は「福岡は2000年くらいにすでにコミュニティが存在した。Webをやってる人たちのコミュニティ。でもすごく小さいものだったが、行政が関わるようになりだんだん大きな輪になっていった。コミュニティもどんどん代替わりしていって、最初はWeb系だったのに最近はスタートアップのコミュニティになっている。」と行政との関わりの大切さについて話されました。

トークテーマ3 : 東京と鹿児島の違い、鹿児島ならではのポテンシャル

続いて3つ目のトークテーマは「東京と鹿児島の違い、鹿児島ならではのポテンシャル」。2022年に東京から鹿児島に移り住んで活動をしている中垣氏は「日本では東京以外の都市は全ての地域はほとんど違いがない。鹿児島だから、というのもそんなに感じないが、東京は何が違うのかというと、大企業が危機感をすごく持っているということ。大企業であってもこのままではいけないという危機感があるから、新たな価値・事業を生み出すスタートアップは取り合い状態になっている。しかし鹿児島では大企業とスタートアップ企業のつながりが薄く、それぞれで動いている印象。なので、このmark MEIZANをつながりが生まれる場所にしていきたい。」と語りました。

鹿児島出身の佐藤氏は「自分の場合は鹿児島にコミュニティがなかったから福岡行ったし、そこも小さかったから東京に行ったが、鹿児島の可能性はすごく大きいので、これからもっともっとコミュニティを育てていってほしい」と語られました。

ポテンシャル、可能性は大きな鹿児島。それをコミュニティを通じて成長させ、全国に羽ばたかせる。そういうお手伝いをmark MEIZANがしていきたいと思います。

トークテーマ4 : クリエイターが活躍するためには?

4つ目のテーマ「クリエイターが活躍するためには?」では野崎氏が「価値をわかってくれる人を増やすのがカギ」と語り、佐藤氏は「そのために情報収集、情報発信が大事」と語りました。また中垣氏は「ビジネスモデルというのは最高のクリエイティブだと思っている。そうすると、起業家も新たな価値を生み出すクリエイターであると思うので、起業家も活躍できるような環境も大切。」と語りました。クリエイターが活躍するために、mark MEIZANとしてもクリエイターやエンジニアに加えて、起業家支援も一体的に進めていきたいと思います。

トークテーマ5 : コミュニティと地元企業の連携

5つ目のトークテーマ「コミュニティと地元企業の連携」では中垣氏からの「地元の老舗企業が自社の悩み、課題を地元のクリエイターや起業家に逆プレゼンしてアイデアを求めるみたいなイベントをやっても面白いかもしれない。」というアイデアに対して、野崎氏も「中小企業同友会とイベントで交流することで価値観を共有する。もっと老舗企業がコミュニティとつながることが面白そうと思う文化が形成されると、いろんな人が入ってくるのではないか。」と述べ、今後mark MEIZANで企画を考えていく旨を述べました。

トークテーマ6 : 5年後の理想形

6つ目、最後のトークテーマは「5年後の理想形」。登壇者それぞれが考える「5年後の鹿児島、mark MEIZANの理想形」を語っていただきました。

中垣氏は「地元企業とスタートアップが一丸となればイノベーションは100%起こる。mark MEIZANがその中心になってくれればいいなと思う」、佐藤氏は「中垣さんと大柴さんのような東京の人が、5年後も変わらず鹿児島に来ることを価値と感じてくれるようにしたい。一過性のものではなく、継続して運営していくことで価値も増大するし、やり続けるのが大事。」と話しました。最後に野崎氏は「熱量がないとコミュニティは持続しないから、熱量のある人をまきこんでいく。熱量のある人を入れるためには、リスペクトしあえる文化があることが大事。熱量を保てるコミュニティを作りたい」と語り、トークセッションの本編は終了しました。

最後に、質疑応答では会場からたくさんの質問が出て、パネリストから1つ1つ丁寧に回答し、充実したセッションとなりました。

コミュニティを作るだけでは何も生まれてきません。コミュニティを作り、盛り上げ、継続させていけば何らかの結果が出てくると思います。野崎氏を始め、他の登壇者からも、コミュニティは情熱ある人がいないと継続しない、コミュニティを作るのは簡単だが、続けようと努力する人がいないと人は集まってこないという意見が多く出されました。熱量のある人が多く集まり、その人たちのコミュニティ活動を後押しするような支援をmark MEIZANでできるよう取り組んでいきます。

【マークメイザン運営事務局(薩摩郷中)】

方針発表とイベントの様子はこちらから ↓

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